物理学を専攻している22歳です。大学院生はこんなことを考えています。


by kohno-knj
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カテゴリ:物理学( 8 )

クォークから原子核へ

さてさて物理のお話です。

この宇宙における物質の基本的構成要素は、
クォークと呼ばれる素粒子です。

クォークがいくつか集まって、
各種の中間子や陽子・中性子を作っています。

その陽子や中性子がいくつか集まって、
原子核を構成します。

そして、原子核が多数集まって通常の物質が作られている
とういわけです。
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by kohno-knj | 2005-11-25 22:42 | 物理学

西宮湯川記念賞

湯川秀樹博士は、兵庫県西宮市在住中に
「中間子論」を発表し日本人初のノーベル賞を受賞しました。

同市はこのことを記念して、様々な西宮湯川記念事業を行っています。
その中の1つに理論物理学の研究を奨励するため、
若手研究者(40歳以下)の顕著な研究業績に対して、
「西宮湯川記念賞」を授与しています。

そして2005年度の「西宮湯川記念賞」の受賞者に、
東京工業大学大学院助教授の白水徹也博士(36歳)が選ばれました。
白水博士は、宇宙物理学(理論)の分野において卓越した研究が評価されたそうです。
受賞研究は「ブレーン宇宙上のアインシュタイン方程式」です。

白水博士は1991年に山口大学理学部を卒業されました。
つまり私の先輩にあたるわけです。
そして京都大学大学院の天体核研究室進学され、
1996年に博士号を修得されました。
いくつかの研究職を歴任された後、
2002年に東工大大学院助教授に着任され現在に至ります。

私と白水博士の間には直接的な関係はありませんが、
山口大学在学中に白水博士の卒業論文を読ませていただきました。
卒論は一般相対論および宇宙論に関するreviewであったと記憶しています。
博士は当時からブレーン宇宙論やブラックホールの理論などに
興味を持たれていたようでした。
私の卒論は一般相対論およブラックホール(ホーキング輻射)に関する
簡単なreviewでした。
そのときに白水博士の卒論を参考として読ませていただいたというわけです。
(もちろん博士の卒論の内容の方が高度であったことは
言うまでもありません。)

大学の先輩がこのような権威ある賞を受賞されたことは、
後輩の我々にとって大きな励みになります。
現在、私自身は宇宙物理から離れていますが、
理論物理という点では同じです。
また将来は宇宙物理に関する仕事もしたいと考えています。

博士の活躍に大いに励まされました。
博士のさらなるご活躍を願っています。
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by kohno-knj | 2005-10-30 18:51 | 物理学

星の中の超伝導

最近blogを書く回数が少なくなりました・・・。

申し訳ない。。。

なんとなく忙しいんですよね。(言い訳です)

まぁできるだけ書いていくんでよろしく。

さてさて今日のテーマは

「星の中の超伝導」

です。

うーん。難しそう・・・。

その通り!難しいんですよ。
私もわかっていません。

今日のあった原子核セミナーのテーマだったのです。
それで聞いたお話をまとめておきます。

「物質の基本的構成要素はクォークという素粒子である!」

ということは以前にお話しました。

このクォークとクォークが従う運動法則を記述しているのが、
量子色力学(QCD)といわれる理論です。
(ちなみにSU(3)のゲージ理論です。)

そして不思議なことに、
我々の世界においてはクォークは単独では存在せず、
いくつか集まって陽子や中性子を構成しています。

通常の(我々が生活しているような)世界においては、
クォークとクォークの間に働く力はものすごく強いのです。

したがって単独で取り出すことができないのです。

ところが宇宙初期の非常に高温な世界や、
中性子星のような非常に高密度な世界では、
どうやら様子が違うようです。

このような世界では相転移が起こると考えられます。

相転移って?

相転移というのは、
水が温度によって氷や水蒸気になるような現象のことです。
同じH2Oであるけれど性質はまったく違いますよね。

このようにクォーク物質も相転移を起こします。

非常に高温ではクォークが
単独である程度自由に振舞うことができます。
これをクォーク・グルーオンプラズマと言います。

一方、非常に高密度では
クォーク同士が対を作り、カラー超伝導という現象を起こします。

超伝導とは?

超伝導状態の物質に電流を流すと永遠に流れ続けます。
これが超伝導の特徴です。
超伝導物質で電線を作ったら、どんなに経済的か!!

クォークのカラー超伝導とはこれに似たようなものと考えてください。

実は今述べたような高密度な状態は、
現在の人類はつくることができません。

このような状態がクォーク物質に存在するというのは、
最新の理論による計算結果です。

しかし物理と言うのは数学ではないので、
理論計算の結果だけではダメです!!!

実験により観測されなければなりません。
けれど人類はこのような高密度状態は作れないのです。(今のところ)

そういう場合、我々はその答えを宇宙に求めます。

宇宙には信じられない高温や高密度があったりするのです。

そして、この高密度状態が実現されているのが中性子星なのです。

中性子星って?

簡単には太陽より重いくせに月より小さいような星です。
つまり高密度なわけです。

したがって、クォーク物質のカラー超伝導があるなら、
中性子星に何らかの影響を及ぼすはずです。

そこで中性子星をもっと観測する必要があるわけです。

現在の研究はこの辺までです。

これから先は今後の研究しだいです。

カラー超伝導がホントに存在するのか!?

結論を早く知りたいものです。
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by kohno-knj | 2005-06-04 00:23 | 物理学

Eikonal近似

散乱を記述する近似の方法の1つに
Eikonal(アイコナール)近似と呼ばれるものがあります。

これは別名、半古典近似とも呼ばれます。
このように呼ばれる理由は、
粒子があたかも古典的な直線軌道を通ってきたかのように記述されている
とされているからです。

結論を先に述べますと、
この表現は間違いであると思われます。

その理由は以下の通りです。

系は量子力学で記述されるわけですから、
波動関数によって表現されます。

そして実際にEikonal近似での
波動関数の形を見てみると、
一見ある方向にまっすぐ進んでいるように見えます。

しかし系を記述しているのは量子力学であることを
ちゃんと意識しなければなりません。

(そもそも量子力学においては軌道などという概念そのものが疑問なわけですが。)

したがって波動関数そのものではなく、
ちゃんとflux(流れ)について考えます。

するとどうでしょう。
fluxは決して1つの方向を向いていないことがわかります。

つまりEikonal近似は、
決して古典的な直線軌道を通るという
半古典近似ではないのです。

もちろん非専門家の方に話すときには、
直線軌道のイメージというのは理解しやすいので、
よいと思います。

専門家がこのように思っていては危険です。

繰り返しますが、
Eikonal近似には直線軌道などという考えは必要ないのです。

半古典近似とは別物なのです。
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by kohno-knj | 2005-05-11 22:19 | 物理学

素粒子

素粒子のことがわかれば、この宇宙の全てがわかるのでしょうか?

答えは「NO」です。

もちろん素粒子のことがわかれば、
今までわからなかった様々なことが明らかになるでしょう。
そして人類は神の心を知ることができるのでしょう。(by S.W.Hawking)

現在の宇宙には素粒子がたくさん集まって形成された
複雑な物質があります。
我々が自身がそうです。

そのような複雑なもの理解は、素粒子を見たところで進まないでしょう。
「木を見て森を見ず」
ということです。

だから化学や生物などが大切なわけです。

ところが原子核に対しては、
素粒子の振る舞いがわかれば様々な予言ができそうです。
原子核の研究と素粒子の研究は切り離せないのです。

これはもちろん原子核の立場からの意見ですよ。
素粒子の研究には原子核のことは必要ないでしょう。

現在の素粒子理論の基礎にあるのが、
場の量子論と呼ばれている理論です。
場の量子論を勉強しようとする大学院生の多くが読むのが、
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M.E.Peskin他の
「An Introduction to Quantum Field Theory」


という本です。ライフログ参照。

私の所属する大学院の素粒子理論研究室でも、
この本でゼミをやっています。
そして原子核理論のメンバーもこのゼミに参加しているわけです。

ただこいつが大変なんだなー。

とりあえず、少しは原子核が解ってもらえましたか?
まぁ何となく解ってもらえれば幸いです。
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by kohno-knj | 2005-04-26 00:03 | 物理学

原子核って何?part2

昨日は原子が原子核と電子から
作られていることを解説しました。

原子はほぼ100種類あるわけですから、
原子核も少なくとも100種類はあるということになります。
そうなると、原子核も何かもっと小さな粒子からできている
ような気がしてきます。

実はその通りで、原子核は正の電気をもった陽子と
中性の中性子からできているのです。
100種類以上の原子核の性質の違いは、
原子核を構成する陽子や中性子の数によって
生まれるのです。

全ての物質は電子と陽子と中性子から
できていることがわかったのです。

素晴らしいことだと思いませんか?
一見複雑に見えるこの世界の物質は、
たった3個の粒子からできているのですから。

当時の物理学者も同じように感じたようです。
しかし、この世界観は変更されることになります。

実は陽子や中性子は、さらにクォークという粒子から
できていることが明らかになり、
さらに、その他にも小さな粒子が
たくさん発見されたのです。
その発見には、加速器という大きな実験装置が使われました。
日本の代表的な加速器は、高エネルギー加速器研究機構
にあります。
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我々の世界観は複雑な物質の世界から、
複雑な粒子の世界へと変わっていったのです。

複雑な粒子の世界の主役たちが、
それ以上分割できない粒子ということで、
素粒子と呼ばれているわけです。

素粒子の研究は世界中で盛んに行われています。

では素粒子のことがわかれば、この宇宙の全てがわかるのでしょうか?

それでは続きは次回ということで。
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by kohno-knj | 2005-04-24 22:59 | 物理学

原子核って何?

昨日話したように私は原子核理論を専攻しています。
ところが学部の卒業研究では、一般相対論とかHawking輻射とかに
興味を持ってやっていたわけです。
したがって、原子核の勉強は大学院からというわけです。
まだまだ素人ですが頑張りますよ。

さて今日は「原子核って何?」というテーマでお話します。

世の中(我々の宇宙)にある物は、すべて原子からできている。
これは中学校ぐらいで聞い記憶があると思います。
このことは、だいたい19世紀の終わりまでにわかっていました。
ところが、この原子というやつはほぼ100種類も存在し、
その性質にはある周期的なものがありました。

科学者、特に物理学者たちは、
このようなことは原子がもっと小さな粒子からできている
と考えれば説明がつくのではと考えました。
そして、この考えは20世紀の初めにラザフォードの実験によって
証明されました。

この実験によって原子は、
非常に重く正の電気を持った中心にある原子核と、
その周りの負の電荷を持った電子からできていることがわかったのです。

このような形で原子核は科学の歴史に登場したのです。

原子核というのは、この宇宙に存在するもの全てに存在するのです。
原子核の研究が大切に思えてきたましたか?
実は私はまだ大切なことを言ってません。
今日はこれぐらいにしときますか。
次回に続くということで…。

もっと知りたい方は本屋でブルーバックスの原子核の本を探してみてください。
入門的な原子核の専門書としてよいのは、
「素粒子・原子核物理学入門」 シュプリンガー・フェアラーク
という本がいいと思います。(ライフログ参照)
えっ!素粒子って何?
と思った方はするどい!
実はこれが私の話していない大切なことに関係しているのです。
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by kohno-knj | 2005-04-23 23:29 | 物理学

研究室

今日も忙しい1日でした。
午前中は速報会がありました。

速報会というのは、研究室のスタッフや大学院生が、
最新の論文を紹介していくというものです。
私は今日初めて速報会に参加しました。
研究というのはこんな感じで生まれるのだなぁ
という感じを受けました。

参加者は現スタッフと院生とOBの方々です。
私はまだまだ未熟なので、議論にはついていけませんでした。
この議論についていけるようになれば、
1人前として認めてもらえるとのことでした。
改めて努力の必要性を感じました。

そして午後からは、博士論文の中間発表がありました。
私の研究室には博士課程の院生は3名います。
うち1人のH本さんが発表しました。

さすが博士課程の院生です。
素晴らしい発表でした。
ちなみに、H本さんの専門は原子核反応論です。

紹介が遅れましたが、私の所属している研究室は
原子核理論研究室です。
原子核理論は、現在主に原子核構造論、原子核反応論、
そしてハドロン物理学の3分野から構成されています。

私の研究室では、この3分野のどれでも研究することができます。
各分野については、おいおい解説していきます。
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by kohno-knj | 2005-04-22 23:40 | 物理学